大阪大学 森下竜一 教授インタビュー

EH株式会社(エクセルヒューマン)では、業界の垣根を越えた連携による商品開発に取り組んでまいりました。このサイトでは、EH株式会社とともに商品の研究開発を行っている様々な大学の研究機関を、現役の学生であり、その大学の学生であるミスコンテスト受賞者が訪ね、産学連携の取り組みとそうして生まれていった商品についてご紹介します。

中野:ミス大阪大学2015準グランプリの中野聡美です。文学部三回生です。本日はよろしくお願いします。

下田:外国語学部英語学科の三回生、下田夏海です。

大石:ミス大阪大学2015グランプリの大石暁世です。工学部二回生です。

藤本:外国語学部三回生の藤本映眞です。ロシア語専攻です。

中野:ではまず商品開発の経緯について教えてください。

森下教授:今回、EHさんの産学連携プロジェクトなんですが、大学での研究成果を活用して、EHのお客様をより健康にしたいというプロジェクトです。特に、アルツハイマー、認知症の予防になりそうな素材、お客様をより健康にできるような素材をもってサプリメントで開発できないかというプロジェクトです。それに加えて品質のいいものをとりたいということで、森下仁丹さんの創業120周年プロジェクトとしてご一緒に開発いたしましょう、というのがコンセプトです。
現在、肥満の方が増えているのですが、肥満で高血圧だと認知症になりやすい。その内容をわかりやすく書いている本(「アルツハイマー病は、脳の糖尿病だった」)も出しています。今アルツハイマー病を予防するいろんな成分が期待されています。今回、高カンマカという商品を開発するにあたり、高は「高麗人参」、カンは「カンカ」、そして「マカ」です。

中野:普段の研究と、商品の研究開発では、違いがありますか?

森下教授:普段の研究は、最先端技術を活かした医薬品を作るということです、一方、高カンマカの商品の研究開発では、病気になる前に予防するという観点なので、こちらは薬ではなく、普段の健康を守るということになります。生活習慣の改善も大きな要素なのですが、それだけでは足りないため、サプリメントという形を用いることでより手助けをするものとして補って頂くことになります。高カンマカは医薬品とは違い、非常に高価であるわけではないですが、ずっと飲んで頂きやすいようにしています。普段の生活の中に取り入れやすい商品を研究開発することは、産学連携として社会への橋渡しをする意味が強く、先端的な研究との違いがあると考えています。

中野:この商品にも、最先端の知識が入っているのですか。

森下教授:もちろん、最先端研究の知識が入っています。やはり大事なのは、そういった科学的根拠がないと、いいサプリメントはできないことだと考えています。なんとなく効くというのはあまり意味がないことだと思います。

中野:先ほどからお伺いしている、カンカやマカなど、中国の漢方のイメージが強いのですが。

森下教授:カンカは漢方としての要素がありますね。実は、漢方には中国の昔からのエビデンスが隠れているものが多いんです。漢方で本当にいいものはなかなか外に来ませんし、出てきても非常に値段が高かったりします。虫の上に生えるキノコとして冬虫夏草という有名な漢方の成分がありますが、カンカは虫ではなく木の上にでき、木の下の水分や栄養分をとって育つため、非常に生命力の強い植物なのです。そのため、多くの栄養分が濃縮されており、非常に体に良いということで、長寿の秘訣として有名な薬なのです。ただ、木の上にできるため、極めて希少な植物です。

下田:どうしてたくさんある中で、カンカとマカに目をつけられたのでしょうか。

森下教授:カンカは先ほどの説明したように極めて希少ですが、強力な抗酸化作用があり、生活習慣病予防や美白に効果があることが知られています。アンデスやペルーなどで採取することができるマカも、抗酸化作用に加えて、血管を広げる血流改善作用があり、老化のもととなる動脈硬化を予防・改善するということがわかっています。

中野:品質管理を徹底して行っているということをお聞きしているのですが、同じ材料でも品質によって効果は違うのですか。

森下教授:もちろん品質によって効果は違います。例えば同じ植物でも作る場所によって違うと栄養価などが変わってきます。高カンマカで使用している成分は、品質を徹底的に管理して作られています。野菜でもそうですが旬のものはよく、旬の時期に機能性成分が多いことが知られています。やはり、一番適した条件でとれるものがいいです。だから漢方を作るのは難しいのです。例えば、中国で作っているものを日本で作っても同じものができない場合がある。特にカンカは砂漠の人参といわれているように、その土地でしかできないですし、輸出するのも中国政府の承認が必要であるため非常に希少です。皆さんが、あまり聞いたことがないのは、そのような理由なんです。

大石:大石と申します。普段薬を開発されているということですが、薬は国の認可に時間がかかると思うんですけれど、サプリメントの場合はそれが短いのでしょうか。

森下教授:サプリメントは基本的に国の認可なしに、企業の責任で発売できるものです。

大石:そうしましたら、最先端の技術をいち早く使ってもらえるのがサプリメントということなのですね。

森下教授:そういうことです。ただし、薬のように、治るとかそういうことは言えません。病気の人は病院に行ってもらわないといけませんから、サプリメントはあくまでも病気の前の「未病」の段階の人までが飲むものですね。そして健康な人はその健康をできる限り長く維持するということが大事です。三ヶ月や半年など長期的に飲んだときに実感があるようなものではなければ困るわけです。

下田:下田です。今回のサプリメントは具体的にどういった人に使ってもらいたいというのはありますか?

森下教授:記憶力の低下などが気になる人や、生活習慣病のあるような方、遺伝的に高血圧があったり糖尿病があったりして将来的に血管のことが気になるような人、そういった人には適していると思います。マカには更年期の症状を和らげたりする効果がありますし、疲れやすい人とか、冷え性のひとなどに向いているとおもいます。

下田:幅広い世代の人に使ってもらえるということなんですね。

森下教授:そうですね。

下田:森下教授の研究を拝見したところ、アンチエイジングというワードが気になったんですけれど、教授自身のアンチエイジングの意義や目指すところはありますか?

森下教授:アンチエイジングは、日本語では抗加齢ということになります。不老不死を目指すのではなく、健康長寿を目指すということが重要です。どれだけ健康でいられる期間を伸ばせるかということが重要です。実は政府の目標として、2020年までに健康長寿を1歳伸ばすとされています。
健康長寿を伸ばすためには運動も大事だし食事も大事です。サプリメントで補うことも重要になってくるし、普段の生活習慣も大事になってきます。そういったものを色々試して健康長寿を伸ばしていってもらう。そのなかで楽しむことも大事だし、いろんなことに興味を持つことも大事だと思います。。
Happy people live longerという言葉があり、幸福な人は長生きすることがわかっています。前向きにポジティブな生き方をしていると、長寿遺伝子が活性化することがわかっています。できるだけ元気な時間を伸ばすことが良いのです。

下田:教授自身は、普段の生活で気をつけていることはありますか?

森下教授:自分に足りないと思うサプリメントをとって自分が気になっている部分を補っていますね。あとは食べ物の面で、糖質制限をしています。炭水化物を摂りすぎるとやはり太りやすくなりますので。炭水化物を摂るとインシュリンが増えるのですが、血糖が高い状態が続くと、だんだんインシュリンの効きが悪くなるインシュリン抵抗性という状態になります。そうすると、脳にアミロイドベータという神経を壊すペプチドが増えていきます。どんどん増えるとアルツハイマーになっていく危険性が増えていきます。まさにそれが「脳の糖尿病」ということになります。

下田:食生活も密接に関係しているのですね。

森下教授:そうですね。糖尿病になると、アルツハイマーが5倍ほど増えると言われています。

一同:全然知らなかったです!そうなんですね。

森下教授:アルツハイマー病も、糖尿病の合併症のひとつなんです。食生活をかえて太らないことが予防につながるのですが、それもなかなか難しいという人にはカンカをとってもらいたいですね。カンカは、中国ではアルツハイマー病の予防薬として売られているんです。また、免疫力をアップさせるとぼけの予防になるので、マカの方も効果がある。 生活習慣病予防は、ぼけ予防に一番効果があるんです。

藤本:アルツハイマーの研究について、研究をしようと思ったきっかけを教えてください。

森下教授:もともと血管の研究をしていました。昔は、アルツハイマー病と血管は関係ないだろうと考えられていたのですが、最近の研究で実は血管が非常に大事だということがわかりました。これから高齢者がどんどん増え、高齢者に特徴的な病気があるので、老化に関係する研究がいいと思いました。
今日本では認知症が非常に増えていて、皆さんが高齢者になる頃にはもっと認知症の数が増えていることも予想できているので、日本全体で認知症をいかに減らすかということが国の将来にも関わることだと考えています。そのために早く治療法や治療薬を見つけることが重要なのですが、まずは認知症を予防するために、予防につながるサプリメントや運動のやり方などをできるだけ発信して、ぼけ予防に貢献したいと思っています。

中野:先ほど、最先端の開発が商品開発に役立つというお話をお伺いしましたが、社会的な面を考えて、研究に生かすということもありますか?

森下教授:もちろんあります。社会のニーズを考えて研究に生かしています。たとえば発展途上国では、薬が高くて手に入らない場合、ワクチンを開発して病気にならないようなことはできないかなど、いろいろな研究を進めています。

中野:今年、機能性健康食品が認められましたが、それも研究分野にかかってらっしゃるのですか。

森下教授:この規制自体が私が所属している規制改革会議で議論したものです。なぜ機能性表示食品制度を始めたかというと、いままでのサプリメントは、何に効果があるかなどの表現ができませんでした。そのため、コマーシャルなどで効果があることを彷彿させるイメージで販売されていました。そうなると、自分にとって必要ではないサプリメントをとっている可能性があります。また、誤ったイメージによって病院に行かなくても、サプリをとればいいという誤解を与えることがありました。今回の制度は、消費者の方に自分に必要なものをとってもらうために、ヒトでのエビデンスがある製品に対して消費者庁に届出をして許可されて、発売されることになります。このような人手のされた、機能性表示の製品を皆さんに取り入れていただくことによって、セルフケア、セルフメディケーションに繋がっていくと考えています。皆さんも自分にあった機能性表示食品やサプリメントを選んでみてくださいね。

藤本:かかりつけ医の方が患者さんにサプリメントを処方するということも出来るのでしょうか。

森下教授:できますよ。サプリの服用で困ることがあれば、かかりつけ医に相談してみてください。

藤本:病気になってお薬を飲む方は別ですが、病気の前の状態の方にはうってつけのサプリメントなのですね。

森下教授:そうですね。サプリメントを用いることでお医者さんが状況によって対処できる幅が広がったといえるでしょうね。お医者さんが未病のところにも責任が持てることになったと思います。

大石:学生生活についてお伺いします。森下教授はどのような学生生活を送られていたのでしょうか。どのようなことに力を入れていたのかも教えてください。

森下教授:まず遊びでしたね。昔は授業の出欠も取らなかったので、自由でしたね。ただ、2年から3年に上がるときに試験があり、結構な数の学生が落ちるので、そこだけは真面目になっていましたね。それと国家試験がありますので、最後はまた真面目に戻りましたが、それ以外は遊びに夢中でしたね。

下田:いまの学生になにか頑張って欲しいことなど、メッセージやアドバイスをお願いします。

森下教授:元気になって欲しいと思っています。

藤本:元気がないですか?笑

森下教授:僕はなんでもいいから一生懸命やっている人がいいと思うんですよね。仕事でも勉強でもいいんだけれど。
女性は元気だと思っていますが男性はあまり元気がないような気がしています。学生さんでいえばちゃんと社会に出て、子供も作ってもらいたいんですが、一方で活躍してもらうということが大事だと感じています。
ミスコンを糧にし、いろいろな方向で頑張ってもらいたいなと思っています。

一同:頑張ります。

一同:今日はありがとうございました。